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ここは草野家。
葬儀が終わり、気付けばもうすぐ三週間。
子どもたちは忌引明け、数日登校したもののすぐに夏休みに突入した。
咲々はあれから一度も泣かないんだよ。
あんなに泣き虫だった咲々なのに。
咲々が泣いたのはパパさんが亡くなった直後、病室に二人きりになったあの時だけ。
それ以来、一度も泣いてない。
でも、みんなあの時、病室から出てきた咲々を見て何も言わなかったけど、咲々が泣いていたことなんてバレバレで、それなのに気丈に振る舞って周りを気遣う咲々に子ども達も含めみんな『自分が咲々を支えよう!』って決めたんだって。
そして、僕も咲々を支える一人。
ずっとずっと咲々を見守ってきた。
これからだってずっと見守る。
僕は草野咲々を見守る存在。
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