episode252 お父様の亡霊

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霊能者は中川の存在を気にした。 中川はそれを察してか――。 もしくはこれ以上僕のよからぬ情報を知りたくないからか。 「私は先に食堂にてお茶の用意をば致しますので」 深々と頭を下げると一人先を急いだ。 螺旋階段の下に僕ら2人残されると。 「おっといけない。自己紹介が遅れました。僕は蓮妙寺来羅(れんみょうじきら)と申します」 「キラ……」 「そう呼んで頂いて結構ですよ」 僕は咄嗟にその名を犬の名とだぶらせたが さすがに口には出さずにいたのだ。 「キマイラは僕の名前から取ってつけたんです」 だけどさすがは霊能者。 僕の考えてることなどお見通しというように 気を悪くした風もなく答える。 「そんなことより先刻の質問にお教えしなくてはいけないですね」 「そうだね。どうして僕が和樹だと分かったか」
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