episode252 お父様の亡霊

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霊能者を名乗る男が現れたのは翌日午後の事だ。 僕は誰と顔を合わせるのも気まずくて その時間まで部屋に引きこもっていた。 「和樹坊ちゃま――下で皆さんお待ちでございます」 「ああ、うん。いらしたね」 中川が僕を呼びに来たちょうどその時 屋敷へ続くスロープを昇ってくる一台の黒いセダンが窓から見えた。 「まるで霊柩車みたい」 「またそのようなこと」 「似たようなもんだろ?霊能者も死神も」 「いけません、坊ちゃま」 中川に窘められながら螺旋階段を下りてゆく。 と——。 「その通り。霊能者も死神も大差ないものですよ、坊ちゃん」 「あ……」 既に玄関に到着していた客人が 気まずい素振りもなく言って顔を上げた。
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