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まさか——。
「こんなに早く何が分かったと言うの?」
この家に来てまだお茶の一杯さえ飲んでいないと言うのに。
「皆さんの前で説明しましょう」
「あ、待って!」
大学生風情の霊能者は言うと
足早に皆の待つ応接間へと向かっていく。
応接間のドアをノックするや内側から扉が開く。
「守り神なら庭を散歩中だ」
冷めた顔した征司がキラを迎え入れ
僕の方を一瞥する。
「来たわね、疫病神」
貴恵と薫は既に奥のソファに座っていた。
そして庭先には――。
「キマイラ、ボールだ。ほら、持っておいで」
すっかり怪物の名を持つシェパードに懐かれた九条さんの姿が。
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