家具屋姫

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 年代も位置も名称も不明ですが、天の川銀河に似た銀河がありまして、その銀河に地球に似た星がありまして、その星にこれだけは名称が明白なのですが、ニッポン王国という日本に似た国がありました。文明は今の日本くらい発達していましたが、伝統がしっかり守られているお陰で何処も彼処も古風な感じのする国でした。そんな国の或るところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。  おじいさんは家具屋を営んでいまして嘗ては腕の立つ指物師でした。  或る日のこと、おじいさんはいつものように朝の散歩をしていると、竹林の林道の途中で黄金に光り輝く竹を発見しました。  おじいさんは驚くと共に不思議に思いましたが、光るところだけを頂戴して、とびきり値がつく工芸品を作ってやろうと思い付きました。  そこで急いで家に引き返し、ノコギリを持って戻って来て、ぎこぎこと切ってみました。  すると、なんと竹の中に肩幅が竹筒に納まるくらいの小さな女の赤ちゃんがいるではありませんか!
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