一日前(由芽)

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一日前(由芽)

 よく晴れていた。  昨日の曇天が嘘のように、薄青いガラス板のような空から日差しが差し込んでいた。 「おはよう」  隣に顔を向けるといつものようにそこには要がいて、まだよく目が開かないわたしには彼の表情が読めない。眠い頭の中でぼんやりと思い出す。  ――ああ、そうだ。今日は最後の日だ。わたしが要の恋人でいられる最後の日……。  彼は手にスマホを持っていた。今日は恋人でいられる最後の日なのに、わたしは彼がスマホを持ち出すほど長い時間、寝てしまったんだろうか? 貴重な数時間を無駄にしてしまったのかもしれないと気にしていると、要はわたしに彼のスマホを見せた。ゆっくりと、そのディスプレイが目に入った……。
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