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──バシャッ
「うわー、だっさぁ」
「きたなぁい」
クスクス、クスクス
嫌悪、好奇、嫌味、揶揄い、同情、、
毎日こんな目に晒されたら嫌でも慣れた。
今は逆によくもまぁ飽きずにやるな、なんて思考をめぐらせる余裕すらある。
───キーンコーンカーンコーン
(あ…昼休み終わった…)
「片付けはあんたがしといてね」
「よろしく、”アリスちゃん”」
そう言って彼らは教室に戻って行った。
遠くから傍観していた奴らも何事も無かったかのように戻っていく。
(…冷たい、マスクも濡れて気持ち悪い…)
「はぁ、めんどくさ…」
彼らに片付けろと言われたからと言って、はい、そうですかと聞いてやる義理は無い。
そもそも、僕にわざと水をかけてきたのは向こうだ。やるならお前らがやれってんだ。
よって僕は濡れた制服を着替えるためにその場を後にした。
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