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──きゃああああっ!!
(またか…)
「うぉっ!?」
「…チッ」
「彼方!昨日ぶりですね!」
「あれ〜?今日もいるの、アリスちゃん?」
「…お、ま…風紀、の…」
「最悪だな」
今日も全員揃ってご登場ですか…。
転入生と一緒だとろくな事がないな。
「彼方、なぜこんなやつらと一緒にいる?」
「誰といようが俺の勝手だろ」
「…ふん、どうせお前が誑かしでもしたんだろう、有栖川紘」
(なんで僕が…)
「昨日も言っただろ!俺が自分で紘と関わりたいと思ったから一緒にいるんだ!お前らなんでそんな言い方するんだ!」
こいつ、また余計なことを…
「知りたいか?こいつが過去に何をしたのか、どうして俺らを…裏切ったのか」
(…っ)
”裏切った”
やっぱり、皆からしたらあれは裏切りだった。
許されることはないと分かっていても、僕は心のどこかでまだ希望を求めていたのかもしれない。
直接聞かされたこの言葉が、こんなにも心にくるなんて思ってもなかった。
「裏切る?なんのことだよ、紘がそんな事するわけ…!」
「おい、これ以上騒がしくするなら風紀として取り締まる。生徒会と、お前もだ佐々木」
「チッ」
「…っ」
「わかったなら散れ
…いくぞ、有栖川」
──ぐぃ
そう言って氷室玲二は僕の腕を引っ張って食堂を後にした。
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