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 今日から2年、新しいクラスを楽しみに登校した。玄関に張り出されている名簿で自分の名前を探す。「青居」だから、一番上の名前を横滑りで確認する。「青居」より前になる名前はあまりない。あまり、ではなく、幼稚園から今に至るまで同級生には存在したことがない。  1組から8組までの確認に10秒もかからないはずだ。ない? まてまて、単位はギリギリ取った。留年はヤバイでしょ、こんな下の下の高校で留年なんて笑えねー。ここは落ち着いて、もう一度ゆっくり見てみよう。  秋田(あきた)宇野(うの)石動(いするぎ)安藤(あんどう)伊東(いとう)浅野(あさの)相田(あいだ)池上(いけのうえ)。相田、あ、い、だ、相田がいたんだ。7組の2番が俺だ。よかった。もう一度見る。「相田葵」「青居宇宙」「石本みくり」……。  心の中で「やったー!」、小さくガッツポーズも。中学時代から夢見てた女の子に挟まれる、の図だ。セーラー服の背中、ブラジャーのホックの部分の盛りあがりが見たいだけ見られる。これ、意外とドキドキするんだ、俺だけかもしれないが。前から回されるプリントを受け取る時になにげに彼女の手にタッチの可能性はある。前の席が女子ってだけでも嬉しいが、後ろもどうやら女子。後ろに回すプリントもなにげにってできたりするし、セーラー服の胸元もチラ見できる。コレコレ、これを狙っての緑ヶ丘だったんだから。初日からテンションあがりっぱなし。
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