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 伸太郎は呆れてため息をつくと、少し考えて言った。 「じゃあ、今日のお代はタダでいいですよ」 「なんだ、品がないね。もっと小洒落たサービスはないのかい。例えばコーヒーを……」 「それより、いつもみたいにあの傘の新機能の話をしましょう」 伸太郎は宗吉の軽口を遮って言った。宗吉はにやりと笑うと、傘の柄を軽くぽんと叩いて喋り出した。彼が傘の話をする前にはいつもそうするのだ。 「まあいい、そこまで言うなら紹介しよう。先日の件は覚えているかな?」
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