6.急激な変化

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 いつもと違った。 あまりの光景に俺はポカンと口を開けていることしか出来ない。  「おいおい、そんなに驚くなよ」 というかひっさびさだなぁと苦笑いする歩くん。  いや、びっくりするからね? いつの間にそんなに身長伸びたの?!  ちょっと声変わりまでしてない?!  そう、ドアを開いて真っ先に目に入ったのは歩くんだ。 だが身長が前にあった時よりも随分と大きくなって、あの特徴的な赤いエラがほとんど見えなくなっている。  そのあまりの変わりように、一瞬誰だかわからなかった。  前にあった時はまだ小学校高学年くらいにしか見えなかったのが、今ではもう高校生と言っていいだろう身長まで…  え、もうちょいで抜かれちゃうね俺??  しかも声変わりまでしていて、可愛らしかったボーイソプラノは落ち着きのある優しい男声に…  これは強い。 何がとは言わないけど、強い。  俺の困惑を他所に、衝撃を与えた本人は御機嫌で鼻歌を歌っているのが釈然としない。  とりあえず俺の心の平穏の為に、理さんが来てくれることを願ったのだった。
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