最期の国

2/2
前へ
/2ページ
次へ
老00年1月9日 僕は「死近」に生まれた。 「ユウ」と名付けられた。 母の「よし子」 父の「のり男」 そして、年寄りの祖母「はつゑ」の4人家族。 昔は祖父がいたけど、僕が生まれる前に亡くなってしまったらしい。 この国には昔から、 「亡くなった人の魂は、新たな魂に生まれ変わって、再びこの地で生きて行く」という言い伝えがあるんだそうな。 もしかしたら、僕は祖父の生まれ変わりなのかもしれない。 ・・・時は流れ 老5年 僕は5歳になり、自我が芽生えてきた。 いたずらをいっぱいしたくなって、 石を投げたり、壁に落書きしたり… 様々なことをした。 その度、母や父に怒られて家の外で反省するように言われた。 結局僕の身を案じた祖母が、「一緒に謝ってあげるから」と言ってくれて、謝る。 それで解決するのがいつもの流れだった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加