ご一緒しませんか?天の川

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「ご一緒しませんか、天の川」 そう声をかけられて、これはヤバいと思いこの妙な男をどうやって巻こうかと頭の中をフル回転させていた。 「あ、天の川って?」 雨の中、傘を忘れた私は全身ずぶ濡れになっていた。男は、黙って私に自分の傘を差しかける。思わず、身を固くした私に男は上を指さした。 「あっ!」 黒い傘でよくわからなかったが内側は、星空のようにきらめいていた。 星空の真ん中には、天の川。この親切な男性は、私に傘に入れと促しているのだ。 「綺麗ですね、この傘。」 「雨の日が楽しみになるように、この傘を買ったんです。」 「素敵ですね。」 「ええ、こうして運命の人と出会うこともできましたし。」 「えっ?」 私は、びっくりして男を見上げた。男は少し、照れくさそうに鼻の頭を掻いた。 「これが、お父さんとの出会いなのよ。」 母がはにかんで笑うと、襖を隔てた隣の部屋から、盛大な父のオナラが響いた。
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