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偏屈先生のお気に入りは俺らしい
俺は人気急上昇中のミステリー作家、水瀬 紫乃(みなせ しの)のアシスタントをしている 石田 文(いしだ ふみ)。
俺の日常はなかなか作品を書かない紫乃のケツを叩くこと…それと家事も含む彼の身の回りの世話だ。
「おい、紫乃…さっさと書き始めてくれよ…もう閉め切りまでそう時間ないぞ」
「うるさい…ああ…うるさい…ネタがどんどん飛んでいく…お前のせいだ。暫く僕の視界から消えてろ。と言うか先生と呼べ」
「へえ…じゃあ旅行にでも行ってのんびりしてくるかな…つか毎日毎日呼ぶわけないだろ」
「…貴様…僕が執筆しているのに旅行だと?ふざけるのも大概にしろよ。そんなに暇なら家の掃除でもしていろ」
おいおい、お前が視界から消えてろって言ったんだよ?
「もう終わってるけど」
「……じゃあ洗濯…」
「だから家事全般終わってるんだって。洗い物も掃除も洗濯も」
「……ふん…僕のアシスタントなんだからそれくらい出来て当然だな」
「たまには褒めてくれても罰は当たらないと思うなぁ…俺…」
「出来て当然の事を褒めるのは愚か者の所業だ。…この愚か者め」
「俺がなの?!ちゃんとやってるよ?!」
この偏屈やのひねくれ者の面倒を見れるのは俺くらいだと自負している。
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