偏屈先生のお気に入りは俺らしい

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「ちょっ…待っ…!紫乃!お前少しくらい持てよ!!」 「お前の目は節穴か。ちゃんと持ってるじゃないか」 「ああ…持ってるさ…持ってるとも…つまみしか入っていない軽い袋をな!こっちも持てよぉ!」 ワインやビールが入った袋を二つをあまりの重さに引きずりそうになりながら俺は叫んだ。 せめて一つくらい持ってくれたって… 「馬鹿か。僕は重い物は持たない主義なんだ。この手は執筆するためだけに動く手だからな」 …手を怪我させる可能性のある事をさせるわけにもいかないか… 仕方ない… 「いいよ…もう…俺が持てば良いんでしょ…よいしょっと…とと…」 袋を持ち直すだけなのに俺は軽くよろめいた。  
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