偏屈作家のお気に入り

偏屈先生のお気に入りは俺らしい

「紫乃…赤か？それ…ちょっとくれよ…」

「一杯、千円」

「うっそぉ…金取るのかよ？！」

「ふ…冗談だ」

「ったく…意地悪いんだから…くれるならグラス持ってくる…」

「どこに行くんだ。これで飲めば良いだろ」

「それって…お前のグラスだろ？お前回し飲みとか嫌じゃなかったっけ？」

あ、でも俺相手だとこいつしてるか…？

「お前と回し飲みなんて不本意極まりないが…今回は特別に許可してやろう」

「いや、別にそんな無理にしなくても…」

俺はグラスを取りに行こうと椅子から立ち上がる。

「違うグラスで飲むなら千円払って貰おうか」

「……なんで…？どうしてそうなったの…？」