偏屈先生のお気に入りは俺らしい

31/33
前へ
/50ページ
次へ
こいつを気遣ってんのに金を払うのも何か違うので、俺は紫乃のグラスを借りた。 しかし、どのみちワインは二人で開けるもの…グラスはもう一つ必要なので、きちんと断りを入れてから俺は席を立った。 赤、白と飲み終わりロゼを開けた頃…俺は良い感じにホロ酔いになってきた。 しかしベロベロになるまでが最終なのでまだまだ余裕なのだけど。 「ほら…注いでやるから飲め」 「お前飲んでねえじゃん…俺にばっか注いでさ…ほら、俺が注いでやるからそれ寄越せ」 白の中盤辺りから何故か紫乃は俺のグラスにばかり酒を注いでくる。 俺にばっか注いでないで自分も飲めよ…。 俺は紫乃の持つロゼの瓶に手を伸ばした。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加