偏屈先生のお気に入りは俺らしい

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「僕は自分のペースで飲むから構わなくていい。それに…お前には日頃から世話になってるからな…こういう時くらい鱈腹飲ませてやろうと思ってな…」 「紫乃……」 あ…なんか…普段が塩対応なだけに…ジーンと来ちゃったよ…。 ずるいよなぁ…。 「ありがとな…紫乃…じゃあお言葉に甘えていっぱい飲んじゃうかな!」 「そうしろ。じゃんじゃん飲め」 __ __ 「スパークリングワイン持ってきた」 「……お前、これ振ってないよな?」 「あ…わかる?ごめん冷蔵庫から出す際にちょっと手滑らせて…キャッチはしたんだけど…」 「ほう…そうか」 「待って、こっち向けてコルク抜こうとしないで!飛ぶ!絶対こっち飛んで来るじゃん!」 「そうだな、開けるぞ」 「やめて!そういうの絶対俺のでこに飛んでくるんだって!あ、やだ!やめろ!開けるなぁぁぁ?!」 問答無用で開けにかかっている紫乃に俺は身を守ろうと慌てて椅子に隠れる。
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