【2】緑

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 海沿いに歩き続けて一時間ほど。  地図を見つけたお陰で「島」の様子が大分わかり易くなった。所々掠れてはいるが、大まかに地理を把握するには十分だ。「島」の中央にある大きな山。それを目印に、俺たちは西に向かって進む。 「カイさん」  上から声。見上げると、アオイが翼を畳んで降りてきた。 「この先、ケルプトンネルなんですが……通って行きますか? 」 「ん、あまり通りたくないけど……」  イワクラさんの話によれば、海藻の入り組んだ、前も見えない場所らしい。アオイも飛びにくいだろうし、できれば避けて行きたい。  だが地図を見ると「道から外れないように注意すること」と書いてある。逆に言えば、道を通れば安全という事だろう。 「ケルプトンネルって、近道なのか? 」 「え、ええ。森を通って行くのの、半分くらいの時間で……」 「それじゃ行こう! 近道近道! 」  ノアが先頭でずかずか進む。その後を行く俺たち。 「気をつけてくださいね……」  アオイが何か言っているが、まぁ大丈夫だろう。それに正直、本物のオオウキモを見てみたいのだ。  これは俺のわがままではない。効率良く進むついで。そう、ついでだ。  ……いや、わがままだな。
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