第1章 神奈川陵應学園野球部

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第1章 神奈川陵應学園野球部

第1話 入学前の寮生活 神奈川県の都心部より少し離れた場所に学校がある。 神奈川陵應学園高等部。 それがその学校の名前だ。 100年ほどの歴史を誇る学校であり、高校の周りには幼稚園から大学まで多くの姉妹提携をしている学校がひしめくいわゆる学園都市の中にある。 土地や校舎は非常に広く野球部専用のグラウンド・室内練習場などが完備、また野球部専用の寮がある。 また他の運動部に対しても同様でスポーツに大きく力を入れていることが伺える。 そんなスポーツ強豪校に二人の青年が新たに門を潜ろうとしていた。 その青年らの名前は村神秀二と神坂龍司。 中学時代は全国優勝を果たした選手らである。 2人は入学式の前日に野球部寮へ入るため陵應学園へと行き荷物の持ち込みをしていた。 事前に知らされていた寮の玄関へと向かうとすでに多くの明日から入学式を迎えるであろう新入生たちが事前に送ってあった荷物の入った段ボールを部屋へと運んでいた。 玄関の掲示板に新入生の部屋割りが貼っており、秀二と神坂は別部屋だったため自分らの荷物を持ち部屋へと向かう。 秀二が自分の部屋のドアを開けると少し広めの部屋の中には二段ベットが二つと机が四つ並んでおり壁には箪笥が四つ並んでいた。 またすでに同部屋になる新入生3人が来ており椅子に座りながら談笑している。 すると一人の眼鏡をかけた大体身長は秀二と同じ174センチ位でスポーツ刈りの髪の毛でたれ目が特徴の生徒が秀二を見ると驚きながらも笑顔で話をしてきた。 「おぉ。村神秀二だ!」 「うお。マジか超有名人じゃん!」 その眼鏡の生徒の言葉に背が低く釣り目ながらも童顔な雰囲気を出す生徒が後からはしゃぎながら近寄り、最後に大体180後半はあるであろうスラッとした身長がありキリッとした目をした生徒が何も言わずに近寄ってきた。 「部屋表見たとき、え?と思ったけどスゲェー。あ、俺は嶋本達也ってんだよろしく」 「あ、あぁ宜しく」 背の低い生徒、嶋本達也がパッとしな笑顔で握手を求めてくるのに対し秀二は少し圧倒されながらも握手に応じる。 「俺は浦原圭吾」 「……館山晋太郎だ」 眼鏡の生徒、浦原圭吾と背の高い生徒、館山晋太郎が続けて自己紹介をすると秀二も同じように自分の名前を言い自己紹介を終える。 一通りの自己紹介を終える四人は秀二の荷物運びがまだであった事に気づき搬入を手伝う。 そして箪笥に洋服類などを片付けある程度の支度を終えたとこで、眼鏡の生徒、浦原圭吾(以降より浦原)が話を切り出した。 「俺キャッチャーやってるんだ。今後バッテリーを組んでいくと思うんで宜しくな」 そう話しながら秀二と握手をする浦原。 そして嶋本達也(以降より達也)は内野手、館山晋太郎(以降より晋太郎)も内野手であることが紹介される。 秀二自身、ここに来た時からかなりの不安があった。 これから3年間、うまくやっていけるのかという大きな不安がよぎっていた中、この3人と出会い秀二はこれなら大丈夫かもと少し安心感が出てきていた。 (明日からいよいよ高校生活。どんな3年間になるのかな・・・うん。楽しみだ) そう期待に胸を膨らませる秀二。 彼らの高校生活が今始まったのである。 因みに神坂はというと、同部屋になった生徒らと自分の打撃理論やら食事やらを話しており、こちらもこちらで上手くやっていたのであった。 次回へ続く。
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