春はもうすぐ。番外編

2/4
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
入学式の打ち合わせをもろもろ終えて、帰り仕度を始める。 時計は5時を過ぎていた。 ふぅ、、、疲れたな、、。 久しぶりの仕事だったから尚更疲れが身にしみていた。 今日は早く寝るか。 そう思い、車に乗り込みエンジンをかけた時だった。 携帯が鳴る。 響か?と思い、画面を見ると、 「浅葱」の名前。 浅葱から電話が来るのは久しぶりだが、電話が来る時は、決まって飲みに行こうという話だ。 嫌な予感しかしない。 めんどくせぇなと思いつつ、通話ボタンを押した。 「おお、耕作??」 「浅葱か。なんだ?」 「今日飲みに行こうぜ!!」 、、、やっぱり。 予感は的中するものだ。 「今日は眠い」 「はぁ?おまえ、まだ、5時だぜ??」 「、、、、」 「ジジイじゃないんだから!!」 受話器の向こうでケタケタ笑ってる浅葱の声が聞こえる。 ジジイ、、、と言われて少しイラッとしつつ、 「疲れてんだよ」 と返すも 「いーじゃん!2時間くらいだって!!」 と、浅葱の押しも強く。 「めんどくさい」 粘ってみたが 「おまえに色々話したいことあるんだって! 聞いてくれよぉ!!」 あぁ、こりゃダメだなと諦めた。 「わかったよ。何時にどこ行けばいーんだ?」 「ありがとう!!耕作!心の友よ!」 何が心の友だ。 ころっと、テンションが変わる奴だ。 昔から、浅葱はそういう奴なんだ。 6時半によく行く居酒屋で待ち合わせをすることにして電話を切った。 浅葱にジジイと言われて腹立つ気持ちもあるが、実際ジジイなんだよ。 ったく、、、。 でもまぁ、浅葱と飯を食いに行くのも久しぶりだし、話したいこともあるって言うし。 まぁいいだろう。 これから家に着いて、着替えて、準備して、 響に電話をする時間があるかと考える。 なにしてるんだろうか、あいつは。 声だけでもいい。 響と話したい。 アクセルを踏み、自宅へと急いだ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!