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   秋だった。 そこが始まり。あんたを思う花が咲いた。 ――ぴんぽーん  インターホンが鳴る。 「困る」  あることで忙しかった僕は無視することに決めてそのままざらざらと白い粒を広げた。 「きれいだ」  そこに救いの道が広がる。 ――ぴんぽーん ぴんぽーん 「うるさいな」  せっかくのひと時を邪魔されるのはいやだった。もう頃合いだ。  玄関は放っておいて、琥珀の液体を飲み干していく。  何も入れない濃い味にちょっとむせて、けれど喉を焼くように流れていくその味は僕の中の芯を熱く焦がしながら体を揺らしていく。 ――ぴんぽーん ぴんぽーん ぴんぽーん  まるでBGMだ そう思って笑いが出る。  良かった、笑うことが出来て。大丈夫。僕は笑っている。  ウィスキー一口に5粒。  次々と口に入れていく。  もうすぐ出られると、足掻いていたものから出て行けると至福の笑みを浮かべながら。  途中から意識も定かじゃない。  けれど覚えている限り琥珀の液体は粒を胃の中に送り続けた。   
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