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数十分後。
「アァァァッッ、や、や、やぁぁぁ……ッ、ガーゼやめ、やめてっ、死んじゃう、またイク、イク……も、や、やだぁ……ッ」
絶叫に近い、掠れた声。根本までブチ抜かれた屹立と、広げられたガーゼ。
中を奥まで抉るように突かれながらガーゼで亀頭を擦られる。ほんの数分前まで優しかった輔が、根本まで入ると分かって挿入してから顔付きが変わった。
順応した太一の体を大きく揺さぶり、ガーゼで屹立を擦り上げ、これでもかと愉悦をねじ込んでくる。息もできないほどの快感に顔は涙でぐちゃぐちゃで、体はイキすぎて辛い。
「ぁ、ぐ……っ、ぁ、イ、ぅ……っ、や、だ……苦し……」
もう、いつの間に体が仰向けになったのかも覚えていない。限界になって嗚咽を漏らすと、決まって輔があやすように口づけてくる。さっきから、これの繰り返しだ。
「ぅ、ぁ、ぁ、ぁ……、ぅぁ、ぁ、ぐ……ぅ」
内腿が痙攣し、ほとんど色のない体液が少量散った。正面で、輔が狂気じみた笑みを浮かべている。爛々と輝く眼光斗乾いた唇を舐める赤い舌先が、まるで獲物を狩る獣のようだ。
「やだ、やだっ……もう嫌ぁぁっ」
イっただとか、イってないだとか。そんなこと関係なく屹立を穿たれ内壁を擦り上げられる。
「死ぬ、死んじゃう……っ、お願、助……ッ」
あの香りのせいなのか、生まれて初めての経験なのに体が完全に輔の支配下に置かれてしまっている。望むまま愉悦を貪る体は、完全に太一の許容範囲を超えてしまっていた。
イったばかりの内壁を強引に擦り、更なる快感を追わせようとする輔。
二台のカメラは一台は真上から、もう一台は横から太一の痴態を撮影しており、嬌声も泣き顔も何もかもを撮影されている。
「イッ、ぁぁぁッ、ぁ……ぅ、やぁら……れ、きな……ンンぅ」
口を塞がれて拒絶の台詞は綺麗にかき消される。キスされながらも肌を打ち合う音は止むことがなく、体の奥から溢れる快感に意識が朦朧としてきた。
その隙にわきの下から腕を回され、肩を掴まれた。ガッチリと体を固定されてしまい、すかさず腰を使われる。
最初なんて全部入れないなんて言っていたくせに、結局根本まで挿入された。初めてなのだし手加減してくれていいはずだ。こうも荒々しく穿たれて感じてしまっている自分も自分だが、こんな風にしたのは輔なので輔が大半悪い。と、思いたい。
「――ッッ、――! ッ、――ッッ」
もはや声が悲鳴にもならない。
全身真っ赤に染め上がて、首だけ反らせて戦慄く。グラリ、視界が揺れた。意識が飛びそうなのが自分でも分かって、このまま落ちようと目を閉じかける。これでこの状況から逃れられるのなら、迷いはなかった。
途端、輔が動きを止める。頭を撫でられて、もしかして終わったのだろうかとなけなしの意識をかき集め彼を見た。目が合った瞬間、汗ばむ輔が笑った。開いた唇の端から垂れる唾液を舐め取られ、そっと耳朶に囁かれる。
「駄目だろう? 勝手に一人で意識飛ばしちゃ」
「も……」
「限界なの?」
わずかに頷く。
「じゃあ、ラスト一回。俺がイクまで頑張ってくれる?」
ラスト。そう言われて、太一は安堵にも似た心地を得た。あと一回だけなら、彼のために頑張ってみようと思った。
「……ん、頑張る……」
ありがとう、と。輔が嬉しそうに微笑んで、キスをしてくる。ようやく見えてきた終わりに胸を撫で下ろし、太一は輔の殊更甘いキスを受け入れた。
これが完全に間違いだったことに気がづくのは、更に十五分後のことだ。
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