Americano〔届かぬ想い〕

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 振り返った陸矢と視線が合わさる。 「どうした?」 「陸矢」 微かに風に揺れてる髪も、優しく私を見る瞳も。 「なんだよ、どうした」  戻って来て私の頭をくしゃって。 「部屋で待ってるな」 甘く響く声も、悪戯な笑顔も。  大好きだったよ――  陸矢の部屋には行けない。陸矢の想いにふれたら、きっとまた身を委ねてしまう。  もう繰り返せない――   玄関ホールの中へと陸矢の姿が消えて行く。それを確認して来た道を引き返した。
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