突然の始まり

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突然の始まり

【side_瑠香】  朝を告げる眩しい陽射しが窓から入り込む。    ――目覚めちゃいけなかった。 「え……!」 思い出した、昨日は失恋して、ヤケ酒して。  目覚めたら友人の陸矢(りくや)とベッドの中。 「起きた?」 ほんの物差しひとつ分の距離で、陸矢が私を見てる。 「えーと……」 飲んでたら、友人の陸矢もやって来て。ヤケ酒パワーで盛り上がって。  それで? なんでこうなってる? 「おはよ、瑠香(るか)」 スッ、って陸矢の右手が私へと伸びる。耳たぶふにふに。 「きゃっ」 シーツが捲れて陸矢の胸が露わになった。 「きゃって、なんだよ」 耳たぶから頬に、指が移動する。ぷにぷに。     ちょっと待って!  シーツを捲り胸の下をこっそり覗く。……キャミソール一枚だけしか着ていない。
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