突然の始まり

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 「と、とにかく着替えるからっ」  しまった、危うく流されるところだった。 「別にそんなに慌てなくても」  陸矢は余裕な表情をして笑っているけど、私はまるで余裕が無い。  陸矢がこんなに熱い()をするなんて、知らなかったもの。  バタバタと散らばる服を掻き集めて、ドアの向こう側に飛び込む。頭から服を被って、とにかく急いで支度を整える。  相変わらず綺麗に片付けられたキッチン。何度か陸矢の部屋には来た事があるけれど、泊まってしまったのは初めて。 「瑠香。その距離感なんだよ」 「……気にしないで」 部屋に戻ったら、陸矢が飲み物を入れてくれてた。 ちょっとだけ離れて座っていたら、明らかに陸矢は不満顔。
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