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陸矢の手から、カップがトンッと音を立ててテーブルの上に置かれる。
「あのさ、瑠香」
「う、うん……」
私へと歩み寄る陸矢。近寄り過ぎだってば。やっと胸の鼓動が鎮まっていたのに。
「俺の告白をスルーするつもり?」
近いってば。またそんなに近付かないでよ。
「だって陸矢、私は失恋したばっかり」
だから昨日だってヤケ酒したんだもの。
私の指からカップを取り上げる。指に陸矢の手の平が重なる。
「じゃあさ」
陸矢の顔が思いっきり目の前に近付く。
「週末俺に付き合え」
「え……」
「決まりな。約束」
私の前髪を掻き上げて額にキスをする。
「ん……」
今まで知らなかった陸矢にドキッとさせられっ放し。
だから、ここから恋が始まる予感がしてた。
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