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――翌日、職場でそれは起きた。
「今日は穂積のお守りか」
日程表を捲る江崎課長の手が止まる。
「穂積、ちょっと」
私の名前が呼ばれる。
「アポの確認と、あと在庫揃えといたか」
江崎圭吾さん。精悍な顔立ちとすらっとした立ち姿が女子社員には人気があるらしいのだけど。
直属の上司としてはちょっと厳しい方で、私は少し苦手としてる。
「はい、全て確認済みです」
「じゃあ、もう出るか」
デパートの大口の顧客に御自宅まで営業訪問をしている。外回り営業、それが私の仕事。
今日は江崎課長と一日中一緒なんだ。困ったなって、本音はそう思ってた。
大人過ぎて、近寄り難い感じがしていたから。
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