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「うちは、東京の親戚のとこいく。この田舎町じゃすることないし」
「ええ?ずるい。舞ちゃん以外、うちの中学に女の子いないし
「そうだね。あとは山田兄弟だけだね」
「あいつらうるさいし」
「兄貴は受験生なのに走り回ってるし」
「弟もね」
はあ、とあたしたちはため息をつく。
ここは、山の近くの田舎町。人がほぼいなくて、あるのは自然のみ。
方言や訛りこそほぼないもののお店も遊び場もない。
だからあたしは、ネット越しに都会へ行くことを夢見る。
なのに、うまくいかない。親戚はみんな田舎寄りに住んでいて、頼れる人がいなくて。
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