どうしよう

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(どうしよう…) そう思ってしまったのは昨日の言葉を思い出したからである 「今度からは麻間先生(あの女)が担任」 この言葉を思い出したのは次の日の朝である そして今現在でもある 朝から憂鬱な気持ちで学校に向かいながら対策を考える必要があった 「こーとーねー!!」 力強く振り下ろされた手は宙を舞った 「流石に何回も叩かれる程バカじゃないよ」 あんな痛い朝の挨拶はこりごりだ 「あちゃー、バレちゃったかぁ」 『本当に残念そうな雰囲気を出すから次は叩かれてもいいかもしれない』と思ってしまう琴音である。 「それで?また下向いて歩いて、何悩んでたの?」 本当の事は言えない、ただ言って少しでも楽になりたいとも思ってしまう ただそれだけは本当にダメなことも分かっている 『あの事』があってからは私はそう思っている 「実はちょっと体調悪くて…朝のホームルーム出れるか心配なの」 「そっか、じゃあ朝は少しだけ保健室で休ませて貰えば?」 「そうした方がいいかな?」 だが今はこれ以外に対策がない ただいつまでもそんな事が出来ない事は分かっている 【絶望感(あれ)】が何なのか調べる必要がある事も分かっている そして、それが1人では出来ない事も… 「今日は保健室に行こうかな」 「そうだね!ホームルーム終わったら迎えに行くよ!」 「ありがと」 本当に彩には感謝してもしきれない 「じゃ、私は保健室に行くね」 「おっけー!麻間先生への伝言は私に任せろ!」 元気な笑顔を見せて走って行ってしまう彩が少し羨ましく感じながら 申し訳ないと思ってしまう 私には元気に振る舞う資格がない 私にはそれが許されていない… それは子供の頃にあった『あの事』への罪かもしれない
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