琴音の休日

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「いやー、結構買い物したねぇ!」 「彩ちゃんは買いすぎだよ!何で琴音ちゃんの買い物の手伝いに来たのに彩ちゃんの買い物の方が多いの!」 「いやぁ!つい服を見ちゃうと買ってしまうんだよねぇ!」 「まぁりきちゃん落ち着いて、私の買い物も終わったし、結構楽しかったからよかったよ」 「まぁボクも楽しかったからいいけどね」 「じゃあどうしようか?お昼も食べたし、帰る?」 「あのね、私行きたいところあるんだけどいい?」 「琴音からまたお誘いって今日は珍しい事ばかりですねぇ!」 「それでどこいくの?」 「ちょっと行ってみたい場所があるんだけど、ここから少し歩くけど大丈夫?」 「「だいじょーぶ!」」 「そ、そっか….」 2人して同時に大丈夫と聞くと本当に大丈夫なのだと思える 駅から少し離れたところを歩き続け 階段を登るとそこには神社があった 「ここなんだけど…」 何で神社? 2人して疑問を持った顔をしていた 「2人とも後ろを振り返ってみてくれる?」 登ってきた階段の方を振り返ると そこには自分たちが住む町の光で溢れかえっていた 車一台一台や電車の光 人が住んでいる家やマンションの明かり そして何よりその町を照らしている月 その全てが含まれ幻想的とも言える景色がそこにはあった 「ふへー!凄い景色いいね!琴音ちゃんが見つけたの?」 「違うよ、たまたまネットで調べてたら見つけたの、それでね、皆で来てみたかったんだ」 『皆で来てみたかった』という言葉がこそばゆく感じる 「そっかぁ!そっかそっかぁ!」 彩の雰囲気が今までで1番嬉しさで溢れているのが分かる 「琴音ちゃんも意外と恥ずかしい事平気で言えますなぁ!」 りきちゃんを幸せ感じている事が言葉の中から分かる そんな2人の雰囲気に包まれながら 私は帰り道も楽しく帰る事が出来た 「琴音ちゃーんまたねー!」 「ことねー!また学校でねー!」 2人の元気な声を聞き振り返る精一杯手を振り返す 「またね」 いつもより手を大きく振ることができた気がする そしてここまで楽しい休日を過ごせた事が何よりも宝物に感じる 友達と言える人が2人になり 日々の生活の中で感じられるものが増えてきている その中で琴音の休日も変わりつつあった 今日体験した事 楽しかった、幸せだった、新しい発見があった この事全てが琴音の心の宝箱にしまわれる程の宝物となった。
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