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「彩、りきちゃん聞いてほしいことがあるの」
「改まってどうしたの?思春期?」
「違うけど、大事な話があるの」
「りきちゃん、この琴音は本気だからしっかり聞いてみよっか」
「なんか、天然の彩ちゃんに言われると傷付くなぁ…」
そして2人とも真剣な眼差しで私を見る
「あのね…まず私が人間不信って事は知ってるかな?」
「んー、見てると何となく人を避けてる感じはするかな?いつもヘッドホンしてるし」
「うん…彩ちゃんはどう?」
「そうだねー、琴音と一緒にいる時ちょっとだけ人が嫌いなのかなー?って思う事はあった」
「実はね、私雰囲気で人の本音が分かるの」
「ほへー」
「ん?」
「「…え!!???」」
「大事な話っていうからなにかと思ったけど!流石にそれは冗談って分かるよぉ!」
「彩ちゃんと言う通りだよ!」
「…最初っから信じてくれるとは思ってないから実践します。今から1人ずつ最近起こった出来事を言って、その中に嘘を混ぜてほしい。それで信じてくれる事を願うよ…」
「んー、分かった、琴音ちゃんが言うならやってみよう」
「じゃあまずはボクから、最近弟が何か隠し事をしているから、こっそり部屋を覗いたら沢山のぬいぐるみがあって、問い詰めたら友達から貰ったって言ってた。だけどその友達は転校してて返せないって事があった」
転校の話しの部分が濁って聞こえた
琴音にとってそれを読み取るには簡単過ぎた
「転校してるんじゃなくて休んでるんだね?」
「うん、正解…マジか…」
「琴音ちゃん、もう一回だけいい?」
「うん」
何度も繰り返そうとも琴音には分かる事だ
だが繰り返していく内に、りきちゃんが心の中で恐怖している事が感じられる
それはもちろん私に隠そうとも伝わって来る
そして、徐々に友達と言う関係から離れていく感覚がする
「分かった、琴音ちゃんありがとう」
そう話すりきちゃんは感じずとも目を逸らされている事から寂しさを感じてしまう
「うん、分かってくれたみたいだね、彩はどうする?」
「私はいいかな!だって知ってたもん!」
そう言う彩からは嘘が感じられず
何故か清々しさが心の中にあった
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