私はね…

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「2人にね、まだ話さなきゃいけないことがあるの、私がまだ小学生の頃の話なんだ」 「小学生?」 2人は高校で出会ってからの友達で 私が小学生だった時の話はした事がない 何故なら今の私があるのはその時の『あの事』があったからだ 「私はね、小学生の頃友達と言える人が1人いたんだけど、小学生だった私は自分の特殊性がどれだけ人にとって怖いものかまだ分かってなかったの」 2人は段々と真剣な眼差しで私の話を聞いてくれるようになっていた 「その子は紗江(さえ)ちゃんって言ってね、私の家の近くに住んでて、その子とは姉妹みたいに毎日遊んでたの」 「ただ、私の親はそれが怖かったみたい、お母さんとお父さん2人とも私の特殊性を知ってるんだけどね、いつもお母さんに他の人には教えちゃダメって言われてた」 「ただ一瞬の気の緩みだったのかな、紗江ちゃんになら教えてもいいかなって思っちゃった…小学生の私には何で教えちゃダメなのか分からなかった」 その後の事はアニメや漫画でよくある展開だった ただよくある展開だからこそ私は怖かった そしてそれを大切な友達のこの2人に知っておいて欲しかった 「あっという間に噂が広がっちゃって、あの家の子供は悪魔の子だとか、友達になると呪われるだの言われて、ちょうどそのタイミングで紗江ちゃんが事故にあってね、周りからしたらその噂の信憑性が増しちゃって…」 「そして私は1人になった、紗江ちゃんはもちろん引っ越して行った、ただ今は言われる事は少なくなった。みんな引っ越しちゃったから…」 私が今まで寂しかって事、辛かった事 そして1人でどんな小学校、中学校生活を送って来たかを話した
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