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そこへ、 「二人とも、先生を連れてきたよ」 「結城さん!」 「わたし、まだ続けた方がいいですか?」 と言ったのは美乃ちゃん。 「ああ、頼む」 と言ったのは白衣の女性。おそらく保健室の先生だろう。 「傷は、一応ふさぎました。でも、」 「血が足りないんだね、わかってる。今、研究所の方に救援を頼んでいるから大丈夫だ。本当にありがとう」 男っぽい話し方をする先生だな、とわたしは思った。 結城さんと清水先生が白衣の先生の後ろからやってくる。結城さんが来ると、少しだけ安心する。さっき一番冷静だったからだろうか。 「須々木さんは、死なせない」 結城さんが呟いた。 その呟きを聞いたのは、わたしだけだったのかもしれない。 「ギルヒーャ」 結城さんが呟くと、 「あっ!」 思わずわたしは言ってしまった。 <本…図書室……魔法…ひとり…> (須々木さんの意識が戻ってる!) (結城さんって、動きを止めたり意識を戻したり… 一体何の超能力何だろう…全知全能とか?) 黒くて禍々しい影、結城さんの白い髪、そして須々木さんが流した赤すぎる紅の血が脳裏に焼きついて、その日の夜は一睡もできなかった。
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