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なぜB県の超能力研究所付属高等学校が魔法少女の潜入先に選ばれたのかというと、それは魔法エネルギーの問題だ。 魔法少女が超能力高校に潜入するには魔法を超能力と偽る必要があり、つまりは魔法を使う必要がある。 魔法を使うには<源泉>から流れ出る魔法エネルギーの<河>が近くにある必要があり、B県の超能力高校の近くにはたまたま<河>があった。 そして二つ目の理由は、超能力研究所がもってしまったといわれる本があるからだ。 その本は魔法界が持つべきものである。 そう世界魔法連盟が判断したのだ。 しかし、二つ目の理由を結城リリアは知らない。 次の日。 髪をとかしていると、ゆりあに声をかけられた。 「ねぇ、聞きたいことがあるの」 「何?」 ゆりあは息を大きく吸い込んで、 「何であなたにはテレパシーが効かないの?あなたの超能力は一体何なの?あの黒い影の正体は?あなたが何かを呟くと須々木さんの傷が治ったのはなぜ?須々木さんが本とか図書室とか影にやられたとか言っていたのは何?」 「ちょっと待って、一つずつ整理していこう。まず、超能力が効かない理由は、わたしが特異体質だから」 「特異体質?」 「あらゆる超能力がわたしには効かないの。これは、周りにも秘密ね」 「うん」 「次、わたしの超能力はわたしの願いを叶える能力。でも、莫大なエネルギーを使うから、一日に三回が限度なんだ」 「すごいね!」 「ありがとう。次に、黒い影みたいなものの正体なんだけど、あれは実体がない、いわば幻影だった」 「実体がない、幻影?」 「そう。わたしの超能力で相手を止めたはずなのに、相手には効かなかった。それは、相手が実体をもたない時だけだから」 「じゃあ、須々木さんの意識が戻っていたのも?」 「そう。わたしが須々木さんの傷を治したから」 「須々木さんが本とか図書室とか影にやられたとかって思っていたのは?」 「うん。とりあえず須々木さんが思っていたことを全部伝えて」 「えっと、本、図書室、影、やられた、魔法、本、学校、いる、本、本、図書室、魔法、ひとり、かな?」 「キーワードは本かな?」 「一番多く出てきているもんね」 「じゃあ、放課後図書室に行ってみようか」 「うん。あ、美乃ちゃんも誘っていい?」 「いいよ」 わたしは、魔法界に連絡してみることにした。 ゆりあが顔を洗うために部屋を出ていくのを見届けると、 「リーフリ、人間が一人黒い影によって怪我した。 キーワードは本。情報求む」 と呟く。 これで、あとはキーワードに魔法が入っていたことが問題だ。あの黒い影が超能力によってできたものならいいけど、もし、魔法によるものだったら、相手にもわたしが魔法を使えることがわかってしまう。それに、相手はわたしの名前を知っていた。 何か、おかしい。 わたしの勘が告げていた。
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