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内人と外人
図書館を出た一同は、昔でいうマイクロバスに乗り込むと、マイクロバスは自動操縦で、荒れ果てた土や、かつては道路だったであろう場所を進む。
日中の最高気温は摂氏15℃。カイルが歴史で習った過去の大気汚染や、温暖化で気温が上昇した頃に比べると嘘のように低い気温だ。
地球温暖化が進んだ時に起きたのは、ノルウェーなどの氷河の融解で、融けた氷は真水になり海に流れ込んで海水を薄め、海流の変化をもたらした。
その結果、赤道付近の温かい海流は南極へと下りず、氷が広がって冷たい海流が増えていき、また氷が広がる悪循環を起こし始めた。やがて太陽の黒点の減少期と重なり、地球は氷河期へと突入していった。
凍てついた大地で農作物は育たず、人間は地上で暮らすのが困難になった。
カイルたちが向かっているのは、劣悪な地球環境緒から逃れるために作られた、建物を透明な半球体カプセルで覆ったドーム型都市の一つだ。
ドームはその形態からジェリーフィッシュと呼ばれるようになった。
カプセルで覆うためには、建築物の高さや幅は制限され、地上の物件の値段はうなぎのぼりに高騰し、一般人には手が出せなくなった。そのため、必然的に人類は地下へと潜って地下都市を造り、それも余裕がなくなると、宇宙に建設された宇宙コロニーへと移住していった。
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