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社員たちを帰すと、後に残ったのはカイルと良平二人だけになった。
言霊のパワーを増幅して、擬人化する装置を見つめていたカイルが、正直くんに語りかけた。
「良かったな。連れていかれなくて」
「はい。良かったです。カイル、良平、守ってくれてありがとうございます」
「カイル、しばらく正直くんを公の場に出さない方がいいかもしれない。どんな罠をしかけられるか分からないからな」
「ああ、俺もそう思う。仕方ないな。代わりに真実を出すか」
カイルが呟き終わるや否や、正直くんがギャッと声をあげた。
その肩あたりに何でも見通すようなペールブルーの瞳を持ったショートボブの小さな女性のホログラムが浮かび上がっている。
「カイル、仕方無いって何よ! 私じゃ正直くんの代わりになれないとでも思っているの!?」
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