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やれやれと良平が両手を上げて、引きつりそうになる笑顔を口元に張り付かせながら、真実に話しかける。
「真実は優秀な言霊だよ。カイルもそれは認めているんだ。ちょっと言葉が足りなくて不愉快に思うかもしれないけれど、仲良くやってくれよ」
「良平の頼みなら聞いてあげるわ。じゃあ、私はこれで帰るから、用事ができたら呼んでね」
そう言うと、真実は現れた時同様、消える時もこちらの承諾も操作も必要とせず、フッと消えた。
「正直くんも、スピリチャルケージに戻って休むといいよ。今日は大変だったからゆっくり休んで疲れを取るんだよ」
「ありがとう良平。カイルもおやすみなさい」
正直くんは律儀にお辞儀をすると、スピリチャルケージと呼ばれる、それぞれの言霊が収納されているボックスへと帰っていった。
「カイル。どうして真実にいつも好戦的になるんだ?」
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