言霊通信社

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「なら、いいけれど‥‥‥。多分、今日は予想外のことばかり起こって気が立ったせいもあるんだろう。僕たちの秘密兵器の言霊捕獲機がどうして正体不明の奴らに渡っていたのかは気にかかるけれど、今日はお互いゆっくり休もう」 「分かった。明日は難題の【愛】のキャラクターを決めないといけないからな。部屋に帰ってじっくり考えるとするか」  正体不明と言った時に、カイルの瞳が揺れたのは偶然だろうか?と良平は思った。なぜなら、言霊通信社にとってもっとも大切な言霊捕獲機が秘密裏に他人の手に渡ったのに、良平の帰ろうという誘いかけにカイルが素直に応じたからだ。  ベン・シュミットに対しての態度といい、カイルは何かを知っているのかもしれない。なぜ自分にまで内緒にしているのかは知らないが、少し様子を見ようと良平は思った。 「カイルの発想がどんなだか楽しみだ。頼りにしているから、いいキャラを考えてくれ」 「おい! 良平も共同経営者なんだからな。ちゃんと考えて来てくれよ。あ~全く、よりにもよって、何で【愛】なんか捕まえるかな。全然イメージ湧かない」
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