【愛歌】の創作会議

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「う~~~ん。今の二人の意見を考えると、愛はいろんな形があっていいのかもと思う。赤ちゃんから大人まで成長する言霊を作ったらどうだろう?」  良平が目を見張り、口がおおっとと感嘆する形に丸くなった。 「それは行けるかも‥‥‥。今までのように、具体的な役目を持つ言霊ではなく、人を癒す役目をして、呼び出すごとに少しずつ成長する言霊をつくればいいのか」 「ああ、でも、セクサロイドのように色事に向くように育てたくはないな。癒すとしたら音楽というか、歌はどうだろう?」  カイルの意見に、シンディーが親指を下に向けて反対を表しながら、意見を述べた。 「言霊は日本語に宿るものだから、今まで日本名だったけれど、愛の言霊が、今はやりの名前やルックスでヒット曲を歌ったら、アイドルと変わりがなくなっちゃうんじゃないかしら?」     カイルがシンディーの意見にに頷いてから、技術者のベン・シュミットを振り返った。 「ベンはどう思う?」  カイルの問いかけに、テーブルの下で何やらもぞもぞ手を動かしたベンが、アイドルいいんじゃないですかと、慌てて言った。
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