【愛歌】の創作会議

8/14

77人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
 社員たちが持ち場に戻った後、カイルは良平に会議室に残るように言い、部屋の隅の飾り棚に置かれている立体映像の写真立てを、机の上に置いた。  良平も、これからカイルが始めようとすることは、重要なことだと分かったので、会議室に鍵をかけると、カイルの隣に腰掛けた。  写真立てには、会社設立時に撮ったデーターを元に、オフィスの前でカイルと良平が握手をしている姿が浮かび上がっているが、カイルと良平しか知らない特別な言霊専用の増幅装置になる仕掛けが施されていた。  言霊は増幅装置の大きさによって、大きさが異なり、言霊通信社に置いてあるすべての増幅装置は、どんな言霊も擬人化して映し出す。  言霊通信社に置いてあるような、本格的な増幅装置だと、人間大になるが、机上に置く小型の増幅装置なら30~40cm大の小さな言霊が現れる。  言霊通信社と契約している会社は、金額に応じた大きさの言霊増幅装置を、数カ月単位から年単位でレンタルしていて、言霊が必要な時は、増幅装置についているアポイント機能を使って、日時、目的を入れると、言霊通信社からの連絡が入る。  
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加