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ただ、忍者のようだと言っても、査探は戦うことはできないし、プライベートを侵害する可能性があるので、今まで使う機会は訪れなかった。
今回は会社の財産である言霊たちがかかっているので、カイルは使う気になったのだろうと、良平は固唾をのんでカイルを見つめた。
「査探をどうやって使う気だ? ベンはもう警察に連れていかれたし、裏切りがバレた以上、ここに戻ってくることはないだろ? 」
「だろうな。きっと警察では何も話さないだろうから、証拠不十分で釈放されるかもしれない。そうしたら、あいつは諸手を挙げてブラックスワンのところに行きそうだ。ここで培った言霊の擬人化技術を、ブラックスワンに渡せるものか! だから‥‥‥」
カイルは首にかけた社員証を裏返し、コツコツと指ではじいて見せた。。
「社員証? そういえば言霊を探しに行く前日、社員全員の社員証を預かって何かチェックしていたな。カイル、まさか、社員たちに査探を使ったのか?」
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