【愛歌】の創作会議

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「良平、久しぶりの会見だな。私がこの姿で誕生して以来か。カイルからの依頼で、ベン・シュミットを探査していたが、やはりあいつは、ブラックスワンと通じておるぞ」 「何だって! ほんとか? 」 「ああ、本当だ。昨日退社した後も、ブラックスワンの社長の黒田巧巳に問われて、捕まった二人がブラックスワンの痕跡を残さなかったことを報告しておった。今朝も、「愛」の言霊の会議内容を送るように指示を受けておったわ」  査探(サタン)が気を悪くしないように、良平は必死で普通の顔を保ったが、査探(サタン)の言い回しを聞くと、つい笑いそうになってしまう。  サタンの名前から偉そうな口調をと、カイルが勝手にプログラミングしたのだが、真剣な話をするのにこれはまずいのではないかと、カイルを見ると、カイルは慣れているのか平然と質問をする。 「実は、ベンから取り上げた通信機器を、警察に渡さなかったんだ。無理に暗証番号を入れれば壊れる仕組みになっているかもしれないから、あいつが証拠隠滅のために警察にわざと違う番号を教えないとも限らないからな。査探(サタン)、暗証番号は分かるか?」
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