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「査探、ブラックスワンに関することならまだしも、僕のプライベートを報告するのはやめてくれ」
顔をしかめる良平を見て、愛歌がよちよちとテーブルの上を歩き、良平の両頬を小さな手で撫でようとする。
「査探と違って愛歌は優しいな。僕も子供を持つとしたら、愛歌のようなかわいい女の子が欲しいな」
それまで良平と愛歌の様子を見て笑顔を見せていたカイルの顔が、良平の言葉を聞いた途端に曇った。
「俺たちは、gene bankに預けた細胞から赤ん坊を作る。外人たちは、昔からの手法で受精して、胎内で胎児を育てて産むんだろ? もし、良平とマライカが契約結婚をした場合、どうするつもりだ? ウィルスに耐性のない俺たちが外人とSEXをするのは自殺行為だ。マライカは試験管ベビーを承諾するかな?」
「な、なにを言ってるんだ。まだ僕たちは、そんなことを考えてもいないよ。僕はただ、彼女の母親を助けたくて、少し援助をしただけだ。それで、明日は彼女が直接お礼を言いたいと言ったから、図書館で待ち合わせることになったんだ」
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