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「僕もカイルの案に賛成だ。これ以上プライベートを暴かれちゃ堪らないよ」
査探の吊り上がった口が、一文字に引き結ばれたのを見て、今度は愛歌がよちよちと寄っていって、サタンの頭をなでようとしたので、カイルと良平が噴き出した。
「良い女子じゃのう。愛歌、ワシの嫁になるか?」
意味が分からないというように、愛歌は首を傾げて、カイルの顔を見上げるので、カイルが首を振って査探に文句を言った。
「純真な赤ちゃんを口説くんじゃない。変な子に育ったらどうするんだ」
「カイルはすっかり良き父親だな。では愛歌が育ってから、カイルに娘をくれと申し込むことにしよう。では、さらばだ」
カイルが何かを言う前に、査探は姿を消してしまった。
気が付くと、にやにや笑っている良平と、相変わらず訳がわからないというように首を傾げる愛歌の視線を受けて、カイルはやれやれと肩を竦めたのだった。
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