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【愛歌】の創作会議
翌日言霊通信社での朝のミーティングは、意見を言い合うというより、質問からスタートした。
「愛って、考えたんですが、セクサロイド的な存在でしょうか?」
一人の男性が周囲を見渡しながら聞くと、他の社員がそうだなと同意しながらも、ホログラムでは実体がないからその使い道には適さないんじゃないかと答えた。
すると女性社員から、赤ちゃんはどうでしょうと問いかけがある。
「小さくて無力で、柔らかいものって、庇護欲をさそうじゃないですか?私たちが契約結婚で作った赤ちゃんは、育児ロボットに任せるのが当たり前にはなっていますが、もし、働かなくてもジェリーフィッシュの中で暮らしていけるのなら、ほんのちょっとなら育児に関わりたいかなとも思います。それが愛なら、赤ちゃんはどうかなって思いました」
良平が、こめかみをさすりながら、いい案だけど、赤ん坊だと口がきけないだろうとカイルにアドバイスを求める。
「カイルの案はどんな感じだ? 昨日考えると言っていたろう?」
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