十 社会人一年目夏

1/1

51人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ

十 社会人一年目夏

 夏になって服装も軽くなり、肌の露出も増えました。冬と異なり男性の視線も露骨になります。足指にペディキュア塗りはじめましたが、恵美さんの事ばかり考えていました。  ジムで、恵美さんと会う事もありましたが、挨拶以上の会話はありません。休日のある日、ベッドから出て、ぼんやりと、あの怪しいバーの情事は本当にあった事なのかと考えていると、携帯電話が鳴りました。 「今、美由紀のマンションの前なの、ちょっと出てきてよ」  恵美さんの誘いでした。ペディキュアが乾いていないので、私は躊躇しました。 「早く来なさいって」  恵美さんの強い口調に私は慌てました。私は、すぐに戻るつもりで部屋から外にでました。私は頭から被るワンピース型の部屋着を着ていました。  アパートの前にタクシーが停車していました。華やかな白いスーツ姿の女性とベージュのブラウスにネイビーのスカートの恵美さんが後部座席にいました。原始人みたいな恰好をした私の服との差を感じました。 「晩御飯、まだでしょう、ごちそうするわ」 「着替えるから、待って下さい」  私は躊躇しました。 「いいよ、そのままで、大丈夫よ」  恵美さんは車から降りると、私の手を引くと、私を後部座席に押し込み、自分は助手席に座りました。 「あ、この人ね。私のジムの先輩であり、うちの会社の役員でもある中尾香織さん」  私は後部座席に座っていた女性に軽く礼をしました。四十歳代の派手できれいな女性でした、ブラウンに染めた少しボーイッシュなショートヘアが小顔によく似合っていました。  その女性の強い視線に見つめられ、私の顔が少し赤くなりました。  車が到着したのは、日本料理店でした。私が、改めて香織さんに挨拶をすると、恵美さんが、「ね、可愛いでしょう」と香織さんに言いました。  香織さんは何も答えませんでした。  料理店の玄関で、脱いだ靴をどこに置こうかと困っていると、「お靴はそのままでおあがりください」と料亭の方の声が聞こえました。恵美さんは、ぎごちない私の様子を楽しそうにじっと見て言いました。 「美由紀の足って色っぽいね、指が長くて素敵よ」  恵美さんの言葉に、私は少し恥ずかしくなりました。  和服を着た中居さんが、私たちを部屋まで案内しました。香織さんが商談でよく利用している高級店でした。  お座敷だったので、テーブルに私と恵美さんが横になり、向かいに香織さんが座りました。  恵美さんは、さっさと食事を終えると、「ご馳走様」と言って、腕を床に置いて、体を反り返りました。胸元が開いたカットソーから乳房の谷間が見えてドキッとしました。あの四角顔が恵美さんの乳房に顔を埋める姿を想像しました。 「美由紀、気になるの、サカキさんの事」  恵美さんは私の心の中を読んでいるかのように言いました。サカキさんというのは、四角顔の男性の名前です。恵美さんは微笑みながら私の方を見ると、私の横座りの足に手を伸ばします。恵美さんはそのまま私の足指に指を入れて、軽く上下に動かしました。  香織さんは、恵美さんに言いました 「なんなの、その偉そうな言い方」 「美由紀はそんなの気にしないわよね」  恵美さんは私に尋ねますが、私は下を向いてしまいました。  香織さんは私の足指を刺激する恵美さんの指を見ながら尋ねました。 「あんたたち、そういう関係なの?」  恵美さんは何も言いませんでした。  香織さんは複数の会社を経営しているビジネスウーマンです。旅行会社だけでなく、出版社とイベントプランナー会社、通販専用のランジェリーショップを経営しています。交友関係も広く、私たちが通っているジムのオーナーも友人のひとりです。  私が食べ終わるのを待って、香織さんが私に尋ねました。 「美由紀さんは、ツルツルに剃るとか、タトゥーとかしているの」  私は、恵美さんの子供のような恥部を思い出しました。私が困った顔をしていると、恵美さんが割り込みました。 「美由紀は毛がある方が好きなのよ。無毛よりいやらしいから」  私は顔を赤くして、黙りこみました。 「美由紀さんを困らせたらだめよ」と香織さんが注意すると、恵美さんは口をとがらせながら言いました。 「困らせていないわよ、褒めているのよ。美由紀って、色が白くて、スタイルも良くて、すごく魅力的。私は美由紀のいやらしい裸を見るとドキドキしてしまうわ」  香織さんは箸を置いて、恵美さんを睨みつけました。 「分かっているわ、あなたも私のようなおばさんより若い子がいいわけね」 「そうよ、色も白いし、肌もきれいだし、見てみる?」  恵美さんは私の背後に回ると、私のワンピースの肩紐のところを下げました。胸の上部が露出しました。驚いた私を見つめながら、恵美さんは言いました。 「いいわね、美由紀」  恵美さんの言葉に逆らうことはできません。庭の陽射しが明るすぎて、庭を囲んだ他の客室の中は暗く、人がいるのかどうかも分かりません。  恵美さんは私のワンピースを肩から下げました。露出した安物のブラジャーが恥ずかしくて、少し前屈みになりました。恵美さんは、そんな私の姿勢に構わず、私の背中からブラジャーのホックを外しました。ブラジャーが畳の床に落ちました。  私のオッパイが露になりました。香織さんは座ったまま、私の胸をじっと見ていました。恵美さんは掌で私のオッパイを下から持ち上げて、私に命令しました。 「美由紀、そのまま、立ち上がるのよ」  私が言われた通り立ち上がろうとすると、恵美さんは下ろした私のワンピースの肩のところを押さえました。一瞬、躊躇しましたが、恵美さんの表情が怖かったので、私はそのまま立ち上がりました。ワンピースが床に落ちて、パンティだけの姿になりました。  恵美さんは座ったまま、腰を上げると、立っている私の下腹部のあたりに口を近づけ、そのまま、へそのあたりを舌で舐めました。そして、私のお腹に置いた指先でパンティを摘まむと、パンティを下げました。黒い陰毛に覆われたアソコが露出しました。香織さんは品定めをする目付きでじっと私を見ていました。  恵美さんは悪戯っぽく微笑むと、立ち上がって、「美由紀、そのまま、後ろを向きなさい」と私の耳元でいいました。私は百八十度回転しました。 「お尻だってこんなに」  恵美さんは私のお尻の肉をつかみました。 「もう、冗談はやめましょう。美由紀さん、こっちを向いて」  香織さんは強制的に恵美さんの悪戯を止めました。恵美さんは下を向きました。  私は床に落ちたワンピースを掴むと、肩まで持ち上げて肩紐を戻しました。  恵美さんは床に落ちている私のパンティを手に取ると言いました。 「美由紀、もっと、かわいい下着を買ってあげるわ」  恵美さんは私のパンティをくしゃくしゃと丸めながら言いました。  それからの食事は何も味がしませんでした。料亭を出る時、香織さんが私の手を握って、 「美由紀さんと話が出来て良かったわ」と言うと、タクシーチケットを恵美さんに渡しました。  私と恵美さんは通りでタクシーを捕まえました。中年の白髪頭の運転手でした。  恵美さんは行き先を告げると、タクシーの後部座席に深く腰掛けたままで、私のワンピースの裾から手を入れて、私の太ももを露出しました。  私は運転手の視線が気になりました。恵美さんは、運転手には注意を払う事なく、やさしく太ももを撫でました。    私は運転手の視線が怖くて、座席の端にお尻をずらしました。バックミラーに運転手の顔が映っていました。私の動きに合わせて、運転手の目線が左右に動いているように感じました。  恵美さんはさりげなく、スカートの下から手を入れました。パンティを履いていないので、直に恵美さんの手が股間に触ります。恵美さんはとても積極的でした。 「香織さんが美由紀を連れて来いと言ったのよ」  耳元で恵美さんの声が聞こえました。  その日、私は恵美さんの部屋で抱かれました。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加