五 大学進学

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五 大学進学

 幸運な事に試験に合格し、東京での念願の一人暮らしを始めました。  私の住まいは狭いワンルームマンションでした。両親の監視を離れ、髪の毛を茶色に染め、バイト代で色々な服を買いました。  大きな姿見を奮発して買って、誰にも邪魔されず堂々と、自分の全身を映しました。  口うるさい親もいないので、普段着のまま外出し、屈んだらお尻が丸見えになりそうなミニスカートや太腿丸出しのショートパンツ、胸の谷間が見えるキャミソールを着て、友達と遊びに行きました。  同じ大学の女子の部屋に集まって、お酒やスナック菓子を持ち込んで、おしゃべりをするのが楽しみでした。話す内容はくだらない事ばかりでした。同級生の恋の悩みを聞くと、いかに自分の恋愛経験が少ない事が分かりました。  女性と話をする時は、私と同じ性癖を持っている人がいるのか、いつも確かめる事にしていました。そのため、酔うと、わざと露出っぽい話を作り上げ、実際に話すきっかけを作るために、脱衣したこともありました。 「美由紀は酔うと脱ぐ」という噂は広がりましたが、同じ性癖の女子は見つけられませんでした。  大学二年になって、長めの薄地の白いワンピース風のルームウェアを買ったのをきっかけに、全裸にその服だけを着て散歩を始めました。ワンピースは、丁度、太ももの半分くらいまでの丈で、下着の有無は分かりません。 最初、前面から車のライトが当たるだけで緊張していた私は、次第に、歩くだけでは物足りず、その格好のまま、コンビニに行きました。  明々としたライトの中、入店時のピンポンという音を合図に、店内の人の視線が集まるのが快感でした。コンビニの中を歩き、わざと低い棚の商品を手に取るために屈み、一番上の棚に身体を伸ばし、体の線を露にします。 接近すると肌色が透けて見えるので、レジに並ぶと後ろの人の視線が気になりました。私はお金を払うと逃げるようにコンビニを出ました。  こういう外出をすると、わざと遠回りをして、後ろに人がいないのを確認して寮に戻りました。
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