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六 隆夫君
隆夫君は、中肉中背、髪の毛が長めで、少し神経質そうで、色白で、中学生の時の富夫君に似ていました。
沙織に誘われた海への旅行で、私は隆夫君の車に乗りました。既に沙織の男友達が後方の座席に乗っていたので、私は運転する隆夫君の横の助手席に座りました。車の中で、隆夫君は頻繁に私に話しかけました。
隆夫君の口ぶりや視線から、私に興味を持っているのは明らかでした。沙織は私たちの会話に入り込んできて、話を盛り上げてくれました。
水着になると開放的な気分になりました。浜辺で日光浴をして、おしゃべりをした後、お腹が減ったので、車で街に出ることにしました。
私は浜辺にいるより、水着のまま街に出ている事に興奮しました。商店街のファミレスや雑貨屋にも水着のまま入りました。浜辺に戻るより、このまま水着で電車に乗ったら刺激的だろうと考えました。
再び、車で海岸に戻り、波打ち際の砂浜に全員で移動しました。私は疲れた事を理由に、駐車場の端から海に向かって下ったところに長く伸びている防波堤に向かい、セメントの上に座りました。
防波堤は駐車場から見ると木々の陰になり、人がひとり寝ても大丈夫な横幅がありました。防波堤の下にはテトラポットが置かれ、海の波が打ち付けていました。通常のビーチに降りる道と違う方向になるので、防波堤にはあまり人は近づきません。座っていると海風と波の音が心地よかったです。
お願いしたわけではないのですが、隆夫君が心配気に私の傍にいました。体を密着せてきた際の男性特有の匂いに当惑しました。
他の仲間は、私たちに気を利かせて誰も防波堤には近寄りません。海風が直接肌を刺激して、官能的な気持ちになりました。
私は隆夫君に、「私の事が好き」と尋ねました。隆夫君は何も言いません。私はビキニのトップを手で掴むと、裸のオッパイを見せました。隆夫君は私の裸のオッパイを見て、一瞬たじろぎました。
隆夫君は私のオッパイを凝視しました。隆夫君の厭らしい視線が直接にオッパイを刺激し、頭の中が熱くなりました。この時、私は全裸で抱かれている姿をみんなに見られたいと考えていました。
このまま、隆夫君が私に襲い掛かって、水着を剥ぎ取ってくれないかと思いました。
私は隆夫君に甘えるように寄り掛かかりましたが、隆夫君の身体は動きません。遠く駐車場の方で男女の甲高い声が聞こえました。私は隆夫君に言いました。
「私の事が好きじゃないの」
隆夫君は何も言わず固まっています。私は隆夫君の正面を向きました。隆夫君の顔が緊張で強張っていました。私は股を広げました。隆夫君はじっと私の股間を見ました。私は腰を浮かせ、股間の布を指でつかみました。
その時、防波堤に続く小道に人の気配がしました。隆夫君も気づいたようで、突然、立ち上がると、みんなのいる浜辺に戻りました。
沙織は、私たちの間の不穏な空気を感じたのか、低い声で、「どうしたの」と尋ねました。隆夫君は沙織には何も弁解をせず、駐車場に戻りました。その後、沙織も他の友人も何事も無かったように振る舞い、夏の旅行は終了しました。
夏の旅行の後、隆夫君にこっそり連絡を取って、セックスをしました。初めてのセックスだったので、少し怖かったのですが、気持ちを盛り上げて、ベッドに入りました。
二回目以降も会うとラブホテルでセックスをしました。全面に鏡張りになっている部屋が好みでした。背中の痣やお尻の窪みの位置や、腰回りの肉の付き方といった自分の身体の特徴に気づきました。
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