七 大学二年秋

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七 大学二年秋

 隆夫君と付き合って、露出をしたいという感覚が少なくなりましたが、何か物足りない気持ちを抱えていました。  秋になり、隆夫君と会う頻度も減り、たまに会っても、食事や映画に行くだけでした。隆夫君と過ごす時間が減るのに比例して、夜の散歩の回数は多くなりました。  私はその頃、夜間に歩くだけでは物足らず、どうしたら裸を見てもらえるのか、ずっと考えていました。時に妄想が強すぎで、興奮して眠れなくなることが、頻繁にありました。  明るい店内や人が多い公共の場所で、発覚したら異常者の烙印を押されてしまうスリルのある露出を空想していました。  私は駅の近くのドーナッツ店に頻繁に立ち寄りました。日付が変わる深夜まで開いているのと、この店の構造がお気に入りでした。  このドーナッツ店にはソファー席とテーブル席が並んで配置されています。ソファーは柔らかくお尻の重みで低く沈む上に、深く腰掛けると体が後ろに傾き、膝の方がお尻より上になります。また、ソファーの方がテーブル席の椅子より低いので、隣のテーブル席に座ると、丁度、見下ろすような形でソファー席の女子のスカートの中が覗けました。  秋にしては暑い夜でした、隆夫君とデートした帰り、ドーナッツ店に寄りました。白いカットソーに素足にサンダル、生足に黒のミニのタイトスカートを履きました。私は、ドーナッツ店のトイレでミニのスカートの下のパンティを脱いで、カウンターでコーヒーを注文しました。  私はコーヒーが乗ったトレイを丸テーブルに置くと、いつもの様にソファー席に座りました。正面の二人がけのテーブルにはパソコンで作業しているサラリーマン、その横のテーブルには大学生らしい男の子の三人組が座っていました。  私の隣席には大きなバッグをもった四十代前半くらいのおばさんが座っていました。周囲を気にしながら、ゆっくりとミニスカートのお尻の部分に手を伸ばすと、お尻を浮かして、スカートを腰の部分を引き上げ、ソファーにもたれ掛かりました。太ももが上を向き、上から見ると、股間が剥き出しでした。  私はスマホに集中するふりをして、気が緩んだ様子で、脚の股を広げます。更に、体を反り返らせ、股間を正面にさりげなく突き出します。私の心臓は高鳴っていました。おそらく正面の席に座っている人から私の股間は見えたはずです。  十分くらい経過したのでしょうか、私はスマホから眼を離して、正面を見ました。パソコンを入力していたサラリーマンが慌てて視線を落としました。 大学生のグループが野卑な顔をして、じっと私の方を見ていました。通路を挟んで、私の正面に頭髪を刈上げた色黒の中年男性が移動して、座っているのに気づきました。  隣のおばさんが、私と同じ正面を見た後、私の身体全体をチラチラと見ました。おばさんの視線を感じて、大学生のグループは目線を下げました。  自分の下半身を確認すると、スカートが捲れあがり、太ももの上のあたりまで露出していました。ソファー横のバッグに手を伸ばすふりをして、足の角度はそのままに、もう一方の脚を浮かしました。  脚を浮かしたため、スカートが持ち上がり、照明に照らされ間違いなく、スカートの奥のもやっとした黒いものは晒されたはずです。  バッグを上手く取れない振りをして、体を更に傾けました。太腿は更に開かれて、ちょうど正面のサラリーマンと刈上げからは、私のアソコが見えているはずです。快感に体が震えます。  その時、隣のおばさんが、「おねえちゃん、注意して。スカートが擦り上がっているよ」と私の耳元に小声で話しかけました。  私は今、気づいた様に慌てて、脚を直しました。彼女は微笑んでいました。 「あんた、注意しないと、襲われちゃうよ」  おばさんの声が大きくて、興奮が消し飛びました。突き出したお尻を戻します。  大学生がまた会話に戻り、野卑な笑い声が聞こえました。サラリーマンは普通にパソコンの入力を始め、刈上げはコーヒーを飲み始めました。  私はその後もこのドーナッツ店には何度も通いました。服装は色々でしたが、あのソファーは自分の定位置でした。
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